『ふざけないでよ!なんで電車来ないのよーー💢
さっきは、5分遅れって言ってたのに。今は見通しつかないってどういうこと💢』
晴子の怒りは頂点に達して、駅員さんに食って掛かって、
ついこんな発言をしてしまった。
「大変、申し訳ありません。3つほど前の駅付近でポイント切り替えに故障が発生して、
復旧(ふっきゅう)の見通しがまだ立たない状態で。。今しばらくおまちください」
駅員さんの回答にも納得行かない顔をしながら晴子は時計を眺めていた。
今は14時30分。
晴子は、ここから30分の所にあるJRのS駅で待ち合わせをしているのだ。
大事な待ち合わせだ。
「あなたね、昔、建設機械の重機(じゅうき)の先っぽにつける奴の営業やってたよね」
大親友の亜紀子から電話が3日前にかかってきた。
「うん、やってたよ、なんで?」
亜紀子によると、彼女の知り合いの重機(じゅうき)の先っぽ、
アタッチメントを販売する大手企業A社の人事部長から、誰か女性で
営業経験ある人知らないかと話しがあったとのこと。
すぐにでも採用したい。給与は固定給で25万円。さらにいくつかの手当で30万円。
歩合がつくと40万円くらいまでにはなる。営業開拓先は自分でしなくても大丈夫。
会社との取引先を回って顔をつなぎながらする、いわゆるルート営業らしい。
今の御時世(ごじせい)、こんなにいい条件の仕事はない。
「亜紀子ーー、絶対紹介して!」
OKをもらった晴子は、今日A社の人事部長とS駅で待ち合わせをするために
自宅の最寄りの駅で電車を待っているところだったのだ。
「ホント、ふざけてる、なんでこんな大事な日にこんなことになるの💢」
そう思いながら、晴子は亜紀子に電話をした。
事情を聴いた亜紀子は、こう言った。
「で、あんた、どうするの?」
「えっ、どうするのって?」
「今回の話し、本気なのか、どうかってことよ」
「いや、もちろん本気だよ!こんないい話ないもん」
「だよね〜、だったら、あんた、どうすんの・・・・?
グチグチ言ってないで、やることあるんじゃないの」
ここまで聴いて、ようやく晴子は気づいた。
そうだ、待っている場合じゃない。
言い訳して、電車のせいで、遅れましたなんて、
社会人としては、失格だよな。
初めての約束で遅れてくる。遅れを回避する手は他になかったのかなって。
戦争が置きたなら、大地震であらゆる交通機関が止まったなら仕方ないけど。
まー、言い訳はダメ。
すぐにホームを出て、晴子は、駅前のロータリーに停まっていた
タクシーに飛び乗った。
駅まで20分。3分前だったけど約束の時間通りには到着した。
アタッチメントの商品知識についての話で目一杯盛り上がった結果
その後の面接の結果採用された。
晴子は晴れてA社の営業社員として働いている。
彼女は仕事をする上で教訓にしていることがある。
今勤めているA社に入社する時の電車トラブルから晴子が学んだことだ。
『相手や環境を変えようとすることは簡単。でも効果はない。
自分を変えることは大変だけど、すごく効果的。
なぜなら、自分を変えたらすぐに行動を取ることになるから。
そして、もし、あなたが相手や環境を変えたくなる、
自分が変わりたくないって思う時は、あなたに叶えたい目的
がない時かもしれない。
叶えたい目的や、やらなければいけないことがある時は、
何をしなければならないかの答えはすぐに出ます。
目的や目標を実現したいなら自分が変わる。自分が行動を取る。
これが実は一番、楽で効果のある方法だって思う』
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自立型人材とは、心が穏やかで、ストレスを感じない人。人間関係の刺激に左右されない反応しない穏やかさを持ちながら、自分の能力と可能性を最大限に発揮して人生における道を自ら切り拓いていける人材を言います。
これからの社会を楽に行きていくために、必要な15の原則と75のルールを、わかりやすく、みなさんと理解して身につけていって頂いています。以下のように、ティオの訓練を受けている利用者さんの多くが気持ちが楽になり、生きることが辛くなくなったとおっしゃっています。
気持ちが楽になることで、利用者さんは障がいと向き合いながら、それぞれ目指す分野への就職をしています。是非、皆さんも一度体験にいらしてください。
【学んでいる利用者さんの声】
♦過去の固まった考えを一度自分の頭の中から消すことが出来た。新しい価値観を一度飲み込んで、自分の中に落とし込んでから自分に合うか合わないかの判断をすればいいと思えるようになった。活トレ(ティオでやっている自立型人材育成のための訓練を”活トレ”と言っています)は、自分に根付くと楽になれると感じている。
♦今までは自分の性格は親に責任があると考える事で安心していたがそれでは自分が変われないことがわかり、今は自立型の考え方と自分のポリシーを支えにしている
♦自分の中の固定した考え方から、見方はいろいろあると気づき、さまざまな角度から見る事で自分の成長につなげる事ができるとわかった。