こんにちは。スタッフの深井です。
今回は、精神科の入院と入院形態について
なかなか知る機会も少ないと思うので、精神科で働いていた精神保健福祉士の立場から、豆知識としてお伝え出来たらと思います☆
うつ病や統合失調症、不安障害など、何かしらの精神疾患を抱えて治療をしている場合、時に入院治療を検討することがあるかもしれません。
通院治療ではお薬の調整がうまくいかなかったり、自宅ではゆっくり休息をとることが出来なかったり、病状がおもわしくなかったり、入院の理由は様々だと思います。
精神科病院の入院は、一般病院の入院とは少し仕組みが違います。
一般病院は医療法という法律が、それに対して精神科病院では医療法+精神保健福祉法という法律のもとで治療が行われており、その根拠となる法律の違いから入院の仕組みも変わってきます。
精神保健福祉法は、正式名称は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律といいます。
この法律の中で、入院する患者さんの人権を保護する目的で、入院形態についても定められています。
精神科への入院は、入院に「本人が同意するか」がポイントとなります。
内科や外科の手術の同意と似ていますが、入院することに同意を得る必要があるのが、精神科病院の特徴です。
また、精神科医が診察をして入院治療が必要な状態なのかを判断します。本人が入院を強く希望しても、主治医が入院は不要と判断することもあるかもしれません。
精神科医判断のもと、本人が入院治療を理解して、同意した形で行われる入院が
任意入院といいます
一般的に、こちらの入院形態が前提で進められます。
原則として、解放病棟に入院することとしていますが、本人が同意をした場合には閉鎖病棟に入院することもあります。任意入院は、本人が希望をすればいつでも退院が可能です。ただし、精神保健指定医(精神保健福祉法に定められた基準を満たした医師)が、入院継続の必要があると判断した場合には、72時間に限り退院を制限することができます。
本人の調子が悪く、主治医も入院が必要だと判断したときに、本人が同意できる状態にない場合には、家族に入院への同意を求めることになります。その場合、本人が入院を拒否しても、精神保健指定医の判断と家族の同意があれば、入院治療が受けられるという方法があります。
それが、医療保護入院といいます。
要件は・・
・精神科病院の管理者が、
・家族などのうちいずれかの者の同意があり、
・精神保健指定医1名の診察の結果、
・精神障害者であり、かつ医療及び保護のため入院が必要であると判断され、
・任意入院が行われる状態にないと判断された場合
とされています。
ここでいう家族などとは誰を指すか?
①配偶者
②親権を行う者
③扶養義務者(3親等以内の直系血族と兄弟姉妹)
④後見人又は保佐人
とされています。
家族などがいない場合、家族が意思表示することができる状態にない場合には、市町村長の同意で入院することができるという規定があります。
患者さんの中には、家族との関係が希薄だったり、連絡を取っていない方もいるかもしれません。
現行の法律だと、一部例外(行方不明であったり、本人に控訴している人など)を除き、家族との関係がどんなに悪くても、同意がないと入院することが難しいです。
そういったことから、現行の法律だと必要な人に必要な治療を行うことが出来ないことが問題視されている経過もあり、法律での議論で「家族などが同意・不同意の意志表示を行わない場合にも、市町村長の同意により医療保護入院を行うことを可能とする」ということも検討されていましたが、話は進んでいないようです。
それ以外にも
応急入院
精神障害者であって、直ちに入院させなければ医療・保護を図るうえで著しい支障があると認められ、任意入院の対象ではなく、保護者との連絡が取れないなど同意が得られないときに、本人の同意がなくても72時間に限って入院が可能です。これは、応急入院指定の病院において、精神保健指定医が診察した結果に限ります。
措置入院
精神障害者であって、医療および保護のために入院させなければ自傷他害のおそれのある場合、都道府県知事が2人以上の精神保健指定医の意見に基づき、精神科病院へ入院させる制度です。指定医の診察に都道府県の職員が立ち会わなければならないなどの決まりがあります。
緊急措置入院
精神障害のために、自傷他害のおそれが著しく、通常の措置入院による手続きをとれない場合の制度です。
措置入院との違いは、急を要する場合は、家族などへの診察の通知や都道府県職員の立ち合いができなくても、精神保健指定医1名の診断結果に基づき入院させせることが出来ます。72時間の入院に限ります。
以上、精神科病院の入院には、様々な入院形態が法律で定められています☆
中には、ニュースなどで耳にする言葉もあったでしょうか?
少し難しい内容ではありましたが、精神疾患を抱えた方や周囲で支える方は、少しでも理解しておくと良いかもしれませんね。
緊急で入院が必要となった際に、いかにご本人の家族関係などの情報がとても大切かということがわかります。
札幌市では、精神疾患の方を対象に、こころの安心カードというアイテムもあります(折りたたむとキャッシュカードと同じくらいの大きさになります)。
日頃から、緊急連絡先や自分の病気のことなどを記載したカードを持っておくと、緊急事態の時にも安心なので、活用してみるのも良いかもしれませんね☆
本日もブログをご覧いただき、ありがとうございます!(*^^*)
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